長野県(信州地域)の山岳地域と北海道の大雪山岳地域を中心にシダ植物および寒地植物(高山植物)数種について、現地における空間配置(コードラート、メッシュ法)の測定、および若干の葉部の採集を行なった。大雪山系では1m^2に約10種、4m^2に約20種、中部山岳地域では1m^2に約15種、4m^2に約25種の共存がみられる。カムチャッカ、シベリアとの比較研究を継続している。 シダ植物については、ミヤマワラビ、カラクサイノデ、オクヤマワラビ、カラフトメンマについて測定を行なった。ミヤマワラビは両山岳地域でほとんど差がない。カラクサイノデ中部山岳ではアズミイノデとも言われる変化がみられる。とくに最下羽片の縮小があり、葉数も増加する。^<(異)>オクヤマワラビでは裂片の幅が、北海道のもののほうが広い傾向を示す。カラフトメンマでは形態分化がほとんど見られない。連続分布するミヤマワラビを除くと、他の隔離分布種群には、形態変異の有無がみられる。購入した画像解析、ライト箱で定量データを蓄積中である。
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