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1999 年度 実績報告書

イリオモテボタルの発光行動および遺伝的背景からみた比較進化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09640832
研究機関横須賀市自然・人文博物館

研究代表者

大場 信義  横須賀市自然・人文博物館, 主任学芸員 (60100153)

キーワードイリオモテボタル科 / イリオモテボタル / 星虫 / 発光行動 / 遺伝 / 進化 / DNA
研究概要

1)本研究は科学研究費補助金により1998-2000年に実施した。研究対象資料は沖縄県石垣島および西表島のイリオモテボタルおよび台湾のイリオモテボタルの1種,マレーシアの星虫Diplocladon sp,タイ産のイリオモテボタルの1種および北アメリカ産のZarhipis integripennisを比較対象とした。イリオモテボタルについては野外生態観察および採集して飼育を行った。発光行動は高感度8mmVTRカメラを駆使して録画し,解析した。遺伝子の解析はアルコール液浸資料から全DNA(核とミトコンドリア)を抽出し,ミトコンドリア16SリボソームRNA遺伝子の5'側の約5000塩基をPCRによって増幅した。増幅されたDNAをプラスミドに組み込みクローン化した後に塩基配列を作成した。この時ベニボタルを外群とした。
2)イリオモテボタルの外部形態は雌において,各比較対象種に酷似した。特に台湾産の比較種は雄においても区別が困難であった。発光行動は雌成虫において全ての比較対象種が各体節にスポット状発光器を有し,抱卵保護行動が観察された。幼虫は全てヤスデを餌とした。
3)遺伝的背景はイリオモテボタルに最も近いものは台湾産のイリオモテボタル,これらは次いでDiplocladonに近く,さらにこれらの外側にタイ産の比較種が位置付けられ,この外側にZarphipisが位置付けられた。タイ産のものはむしろ北アメリカ産に近いという結果を得,雌の発光行動や形態からみた背景とは異なった結果を得た。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] OHMIYA Y.: "Comparative aspects of a luciferase molecule from the Japanese luminous beetles Rhagophthalmus ohbai"Sci. Rept. Yokosuka City Mns.. 47号. (2000)

  • [文献書誌] OHBA N.: "Biological notes and breeding of Lamprigerasp from west Sumatra"Sci. Rept. Yokosuka City Mns.. 47号. (2000)

  • [文献書誌] 大場信義: "ヒメボタルの2生態型の発光パターンと発光コミュニケーション"横須賀市博物館研究報告(自然科学). 47号. (2000)

  • [文献書誌] 鈴木浩文: "ミトコンドリア16SリボソームRNA遺伝子からみた日本産ホタルの系統と配偶行動様式"日本昆虫学会第58回大会講演要旨. 61 (1998)

  • [文献書誌] 大場信義: "パプアニューギニアのホタルPteroptyx effulgensの集団同時明滅"横須賀市博物館研究報告(自然科学). 46. 33-40 (1999)

  • [文献書誌] 大場信義: "文部省科学研究費補助金基盤研究C「イリオモテボタルの発光行動および遺伝的背景からみた比較進化学的研究」の概要"横須賀市博物館館報. 45. 1-2 (1998)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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