頭蓋の数値的な3次元モデル構築を行い、力学的な構造計算を行うために基礎となる、いくつかの手法についての検討ならびに計算機プログラム開発を行い、これを応用することにより、頭蓋モデリングの基本データとして利用可能な、500断面を越える数値データを得ることができた。4種類(ヒト・チンパンジー・ゴリラ・マカク)の頭蓋について、それぞれ3方向(前後・上下・左右)からのCT撮影を行い、その画像データを従来のようにフィルム出力するのではなく、直接数値的に取り扱う手法を考案し、その方法を実現すべくプログラムを作成した。用いたCTは、GE社のCT9800と東芝のXVsionであった。いずれも、撮影した画像データはバイナリファイルとして保存されるが、これらの画像フォーマットはCT装置によって異なるので、装置に応じた画像データの抽出法を検討する必要がある。このプログラムによって、合計400断面の画像を表示・出力し、モデル解析のための原データを得ることができた。それぞれ5mmないし10mmの間隔で連続撮影した。またヒトのデータは、これらに加えて、1mm間隔2方向からの撮影も行い、100断面を越えるデータを獲得した。一方、これらの画像データを数値処理するためのプログラムの開発を行い、特にモデル解析において重要となる境界のデータを算出するための、輪郭抽出プログラムを大型計算機上でFOERTRANを用いて作成した。現在、これらのデータに基づいた3次元モデリングを行うためのプログラムの検討を行っている。
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