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1998 年度 実績報告書

溶媒蒸発による液相エピタキシャル法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09650013
研究機関大阪大学

研究代表者

武居 文彦  大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60005981)

研究分担者 植田 千秋  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50176591)
キーワード結晶成長 / エピタキシー / 薄膜結晶 / 溶液成長 / 溶媒蒸発法 / 酸化物膜
研究概要

膜状単結晶を成長させるエピタキシャル成長は、比較的簡便で生産性が高いことから、多くのデバイス・テクノロジーに利用されている。この中で溶液を用いる液相エピタキシャル法は成長速度が大きく再現性が高いことから最も有力な方法と考えられる。我々の考案した溶媒蒸発エピタキシー法は、溶液原料を結晶基板に塗布し、加熱溶融したのち溶媒のみを蒸発させることによってエピタキシャル成長を行う極めて簡便な方法である。しかし現在までその実施例は極めて少なく、大いに研究の余地が残されている。ここでは酸化物系を取り上げ、実験を行った。具体的にはMgO単結晶(100)基板に対するMnO,CoO,NiO系、酸化物超伝導体BSCCO系、導電性透明スピネルZnGa_2O_4系についての実験結果をまとめた。その結果、溶媒蒸発エピタキシー法は、1)作業は極めて簡単であり、特殊な装置や技術を必要としない。2)条件が決定されれば再現性は良好である。3)そのままで試料が得られ、溶媒との分離などの作業は必要ない、などの利点が明らかにされた。いっぽう欠点としては、1)高温揮発性の溶媒を選択する必要がある。2)処理温度が比較的高いため、膜と基板との反応を注意しなければならない。3)膜面の凹凸、島状化は見られ、蒸発が均一に起こるような条件を見出さなければならない、などがわかった。以上から、酸化物膜に溶媒蒸発エピタキシー法を適用することは非常に有力と考えられるが、まだ多くの問題点が残されていることが明らかにされた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Z. Yan and H. Takei: "Flux growth of single crystals of spinel Zn Ga_2O_4 and Cd Ga_2O_4" J. Crystal Growth. 171. 131-135 (1997)

  • [文献書誌] M.Tanaka,M.Hasegawa,H.Takei: "Crystal growth of PdCoO_2 and PtCoO_2 and their solid solution with delafosite structure" J. Crystal Growth. 173. 440-445 (1997)

  • [文献書誌] T.Tanaka and H.Takei: "Growth of MgsiO_3 or thoenstatite crystals by the top-seeded solution growth method" J. Crystal Growth. 180. 206-211 (1997)

  • [文献書誌] T.R.Zhao and H.Takei: "Study of oxidation reduction kinetics of CuFeO_2 in the Cu-Fe-O" Materials Research Bull.32. 1377-1393 (1997)

  • [文献書誌] Z.Yan and H.Takei: "Electrical conductivity in transparent ZnGa_2O_4" J. American Ceramic Soc.81. 180-186 (1998)

  • [文献書誌] T.Tanaka,H.Takei,C.Uyeda: "Flux growth of (Mg_<1-x> Fex) SiO_3 or thoenstatite crystals" J. Crystal Growth. in press.

  • [文献書誌] 武居 文彦: "Growth the mechanism of oxide superconductors" Elsevier Science B.V., 12 (1997)

  • [文献書誌] 武居 文彦: "人工結晶と先端デバイス技術" 三共出版, 11 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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