研究課題/領域番号 |
09650016
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤居 義和 神戸大学, 工学部, 助教授 (80238534)
|
研究分担者 |
吉田 虔太郎 神戸大学, 工学部, 教授 (60031085)
|
キーワード | 微小角入射X線散乱 / 結晶成長 / X線CCDカメラ / 表面荒さ / その場観察 / 超高真空 / 高温での純鉄表面 / PbSe(111)表面 |
研究概要 |
平成10年度は、まず、X線二次元検出システムを使った散乱X線強度の散乱角分布測定実験と、従来のX線検出器を使った散乱X線強度の散乱角分布測定実験を併せて行い、X線二次元検出システムによる散乱X線強度分布測定結果の較正を行った。また、X線二次元検出システムによる散乱X線強度分布の最適な測定条件を求める実験を行った。そしてその次に、この装置によって散乱X線強度の二次元角度分布をその場で観測する実験を行い、散乱X線強度分布の中に含まれる結晶表面からの情報信号と誤差を分離することを試みた。 PbSe(111)表面の結晶成長過程を、微小角入射X線の散乱強度の角度分布をその場観察することによって解析した。まず、従来のX線検出器を使った鏡面反射角における散乱X線強度の測定において、PbSe(111)表面のLayer-by-1ayer成長に伴うX線強度振動を観測した。全反射臨界角より小さい幾つかの入射角でこの実験を行ったが、振動振幅は散乱強度の1%以内でノイズに埋もれており平均化処理によって現れる程度であった。次に、X線二次元検出システムを使った散乱X線強度分布のその場観察を行った。そして、この散乱X線強度分布の中で鏡面反射角におけるX線強度と鏡面反射からずれた角度でのX線強度の比が、PbSe (111)表面の成長に伴ってどのような変化を示すかを求めた。しかし、幾つかの入射角で実験を試みたが、測定に使用したX線CCDカメラの感度の範囲ではPbSe(111)表面の成長に伴う強度分布変化を示す振動は見られなかった。しかし、微小角入射X線散乱強度の二次元角度分布の測定を幾つか行った結果、非弾性散乱したX線の強度がある程度含まれていることが分かり、これら散乱X線のエネルギー分解測定が、新たな解析につながることが分かった。
|