研究課題/領域番号 |
09650025
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
武笠 幸一 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (00001280)
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研究分担者 |
末岡 和久 北海道大学, 工学研究科, 助教授 (60250479)
早川 和延 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (80218552)
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キーワード | スピン分析器 / モット分析器 / 非弾性散乱阻止 |
研究概要 |
本研究では、小型モット分析器の設計ならびに作製を行った。さらに、これを走査型電子顕微鏡の2次電子のスピン偏極度測定に応用し、スピン走査型電子顕微鏡を開発した。本研究で開発したスピン走査型電子顕微鏡を用いて磁性体単結晶表面、磁性体微細薄膜表面、磁気記録媒体表面の磁区観察を行い、50nm程度の面内分解能においてスピン偏極度分析が可能であることを示した。 本研究で開発したモット分析器は、20kVの低加速動作領域から60kVの高加速領域の広い範囲で動作し、加速部・電子検出部を含む装置全体がコンパクトになるように設計した。電極全体をセラミックのベースプレート上に組み上げる構造は、電極部の機械的組み上げ精度が良くなるように配慮したものである。また、スピン検出に重要な役割を果たす金薄膜ターゲットは、分析器後方よりin-situで交換できるようにした。これらは従来のモット分析器にはない特徴である。小型モット分析器の基本性能を調べるために、GaAsを用いたスピン偏極光電子源を作製した。GaAsスピン偏極光電子源はスピン偏極度を±20%程度の範囲で変えることがで、これを用いてモット分析器の検出特性を評価した。電子軌道シミュレーションにより設計した電極特性など、設計値から期待される結果が得られた。 走査型電子顕微鏡に応用するにあたり、2次電子を収集しモット分析器まで輸送するための電子レンズ系を新たに設計作製した。また、磁界型1次電子銃からの漏洩磁場の影響を低減するために、レンズ先端部に付ける磁気シールドの構造を検討し、これを用いた。 本研究により開発を行った小型モット分析器は、形状が小型であり、電気回路系なども簡便であることから、走査型電子顕微鏡をはじめとする種々の表面分析装置に応用できるものと期待される。また、高密度化が進められている磁気記録工学分野において、磁気ヘッドおよび記録メディア開発にも活用されるものと期待される。
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