高温でのアモルファスシリコンの拡散係数を自己相関関数の衰退係数を測定することにより求めた。高この方法はプローブホールと呼ばれる穴のあいた板をチップと電流検出器の間に置き、チップの一部からの電流を採取する必要があったが、今回開発した方法ではテレビカメラにより、チップ全体の輝度変動をビデオレコーダーによって記録し、画面上の所定の場所での輝度変動をデジタル化し、自己相関関数を析出する方法を用いた。このため、プローブホールは必要なく通中の電界放射顕微鏡によって表面拡散係数の測定が可能となった。その上、超短レーザーパルスを応用した加熱方法を用いることにより、時間分解能はパルス幅によって決定されることになり、従来の時間分解能をはるかに上回るものとなった。これによって拡散係数の測定が50A以下の領域で融点に近い温度で可能となる。(我々の所有するレーザーの時間分解能は5ナノ秒であるが、現在、50フェムト秒を切る程のパルスレーザーが存在する。)アモルファスシリコンの拡散係数を900〜1100Kの範囲で測定し、その温度依存性から求めた表面拡散の活性化エネルギーの値はEd=2.10±0.28eVであった。振動に関するPrefactorは1.1x10-2cm2/secとなった。 また、ダイアモンドティップ配列を用いた微細加工・記録装置の開発も行った。
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