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1998 年度 実績報告書

ジカチオン性二鎖型LB膜の作製とその吸着特性

研究課題

研究課題/領域番号 09650033
研究機関武蔵工業大学

研究代表者

小林 光一  武蔵工業大学, 工学部, 教授 (90097171)

キーワードカチオン性LB膜 / 吸着特性 / 分子配向 / π-A曲線 / 水晶振動子マイクロバランス
研究概要

著者はジカチオン性の二鎖型界面活性剤、N、N'-ω-p-xylene-bis-[stearyldimethylammoniumchloride](XSAC)のLB膜への染料分子、α-ナフトールオレンジ(NO)及びメチルオレンジ(MO)の吸着特性とその吸着状態、特に炭化水素鎖および染料分子の配向について検討し、NOとMOの吸着状態に顕著な差異があることを明らかにしてきた。そこで、このXSACLB膜以外に比較的パッキング状態が密なオクタデシルアミンのLB膜への染料分子の吸着挙動を調べ、XSAC場合と比較検討した。まず、純水上及び染料水溶液上でのODA単分子膜の挙動を明らかにするためにπ-A曲線を測定した結果、下層液へのMOの添加やpH変化によってπ-A曲線が大きく影響を受けた。pH10以上で安定な固体凝縮状態のODA単分子膜が形成され、固体基板上に規則正しく多層累積することができた。ODALB膜はMO分子に対して高い吸着特性を示した。ODALB膜上へのMOの吸着は、長鎖アルキルアンモニウム塩LB膜への吸着と同様の挙動を示したが、吸着速度は長鎖アルキルアンモニウム塩LB膜に比べて遅く、2時間後に吸着平衡に達した。また、ODALB膜の吸着特性はpH依存性も示した。ODALB膜に吸着したMOは分子の長軸を膜の法線から32.5°傾けた配向をしていた。一方、ODALB膜中の炭化水素鎖はほぼ膜面に対して垂直で、その配向角はMOの吸着によって7.9°増大した。X線回折の結果、ODALB膜の2分子層の膜厚はMOの吸着によって著しく減少し、膜内で炭化水素鎖が指組み構造をとっていることが分かった。LB膜中でのODAとMO分子との吸着比を求めたところ、ODA:MO=1.0:0.54であった。さらに、水晶振動子マイクロバランスによる吸着量自動測定装置を用いて、LB膜へのMOの吸着量を測定した結果、吸着量は経過時間とともに増加し、約2時間後に吸着平衡に達し、分光学的に求めた結果と極めて良い一致を示した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Masashi Takahashi: "Adsorption behavior of Methyl orange on the monolayer and Langmuir-Blodgett films of octadecylamine" Bull.Chem.Soc.Jpn.71. 1467-1470 (1998)

  • [文献書誌] Masashi Takahashi: "Structural characterization of an octadecylamine Langmuir-Blodgett film adsorbed with methyl orange" Journal Colloid and Interface Science. 203. 311-316 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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