(1)多層膜ミラー分光器の製作とビームラインの建設 二結晶型の多層膜ミラー分光器の製作とそれを設置したビームラインの建設をほぼ完了した。Mo/SiおよびMo/Cの二種類のミラーで、70-130eVをカバーする。今後、単色性、フラックスなどの測定を行う。 (2)STM装置の立ち上げ 超高真空対応のSTM装置を立ち上げ、放射光ビームラインに接続した。Si(111)の清浄表面の原子像の観察を確認した。Si(111)表面の自然酸化膜を放射光励起脱離により除去し、STMにより表面を観察することに成功した。今後さらに多様な表面について原子像の測定を進める。 (3)赤外反射吸収スペクトル(IRRAS)の測定 Si(100)表面の吸着水素の熱脱離、および放射光照射脱離についてIRRASで測定し、吸着表面構造の決定および、吸着種の分解機構の解明を行なった。また、Ge/Si(100)表面の水素の反応についても調べ、水素により、Geがエッチングされることを見出した。
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