研究課題/領域番号 |
09650049
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
江川 孝志 名古屋工業大学, 極微構造デバイス研究センター, 助教授 (00232934)
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研究分担者 |
神保 孝志 名古屋工業大学, 極微構造デバイス研究センター, 教授 (80093087)
梅野 正義 名古屋工業大学, 工学部, 副学長 (90023077)
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キーワード | 窒化ガリウム / 有機金属気相成長 / AlGaN / InGaNダブルヘテロ構造 / 自由励起子 / 束縛励起子 / 面発光レーザー / n型窒化ガリウム / P型窒化ガリウム |
研究概要 |
有機金属気相成長(MOCVD)法により低温堆積緩衝層技術を用いてサファイア基板C面(0001)上へGaN層の成長を行った。530℃でGaN緩衝層(低温GaN)を30nm堆積し、その後1050℃でGaNを成長すると平坦な膜が得られ、表面モホロジーには、クラックやピットは観察されず鏡面状であった。ニ結晶X線回折法を用いた結果より、GaN薄膜のピークの半値幅が214arcsecであった。4.2KでのPL測定から自由励起子発光(Aエキシトン、Bエキシトン)、ドナー束縛励起子(I_2)そしてアクセプター束縛励起子(ABE)からの発光スペクトルが観測された。また、最も強い発光が観察された自由励起子発光(Aエキシトン)のピークエネルギーは3.488eVでその半値幅は3A^^・と狭い。狭いPLスペクトルの半値幅、自由励起子発光、I_2そしてアクセプター束縛励起子発光が観測されたことは、光学的特性に優れたGaN薄膜であることを示唆している。 Siド-ピングを行ったn-GaN層のホール効果測定の結果では、300Kにおいて移動度:585cm^2/Vs、キャリア濃度:1.1x10^<17>cm^<-3>及び130Kにおいて移動度:1500cm^2/Vs、キャリア濃度:5.4x10^<16>cm^<-3>の結果を得た。Mgド-ピングを行ったp-GaN層を800℃の窒素雰囲気中で30分間アニールを行ったところ、キャリア濃度が1.2x10^<18>cm^<-3>という値を得た。以上の結果は、サファイア基板上に高品質でかつpn制御性に優れたGaNが成長できていることを示しているものである。 AlGaN/InGaNのダブルヘテロ構造の発光ダイオードを試作した。30℃において注入電流30mAで光出力0.17mW、微分量子効率0.2%、発光波長440nm、半値幅63nmで3000時間の安定動作を示した。 以上の研究結果をもとにして、今後Si基板上に面発光レーザーを試作する予定である。
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