研究概要 |
光導波路型のアレーイルミネータを用いて超高速の超短光パルス列を得る研究において、以下の成果を得た。 1, アレーイルミネータの設計と作製 光源として使用するモードロックNd:YAGパルスレーザーからの82MHzの光パルス間をさらに均等なパルス列で埋めるためのアレーイルミネータと、その構成素子である光路遅延素子を設計した。これにより1THz程度までの光パレスを得ることが可能である。光路遅延素子は2つのプリズムとレーザービームの拡がりを制御するためのモジュールから構成されている。発生させるパルスの数を10個とした場合のプリズムの配置を決定し、ビームの拡がりによる強度分布の変化を補正するためのレンズアレーとホログラムレンズアレーを設計した。設計に基づいてホログラムレンズアレーをフォトポリマーを用いて作製し、最大65%の回折効率を得た。 2, 超高速画像読み出しへの応用 フォトリフラクティブ結晶にホログラムを記録し、本アレーイルミネータによる超高速繰返しの超短光パルスを発生させる基礎実験を行い、パルス間の間隔である11.7ps間隔のパルス列が発生していることを確認した。これにより、結晶に記録された多数の画像情報を85.5GHzの超高速で読み出す可能性が示された。 3, 超高速光通信への応用 フォトリフラクティブ結晶を用いた2重位相共役鏡に関する研究を行い、これによる波面変換を利用した超高速光通信への応用の可能性を検討した。この方法により、光パルス列を全てシングルモードファイバーへ無調整でカップリングさせることが可能であり、そのための光学系の設計と結合効率についての検討を行った。
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