導波路及びデバイスの損失特性測定のための光源として、波長可変チタンサファイアレーザを導入し、波長チューニング特性及び出力特性の安定化をはかった。さらに高繰り返し超短パルス光源とするためにモード同期実験を行い、周波数150MHzで推定100fsのパルスを得ることができた。これによりピルボックス共振器型フィルタに短パルスを入射したときの特性につき検討可能となった。 ピルボックス型フィルタの特性解析については、昨年度提案した波長選択光変調器について検討を進めた結果、フィルタ共振波長付近の変調において、特定変調周波数で光出力振幅が入力の3倍以上に増大する現象を見出した。これは波長選択フィルタが波長選択性を有するのみならず変調器として使用するとそれ自体が利得を有するという従来に無い方式であり、「振幅増大変調」と名付けた。変調波形の最適化により利得を最大で6.5倍にすることができた。 導波路作製についても、特にレーザビーム直接描画方式にしぼって検討を行った。その結果、ピルボックス共振器作製のためには0.1μm程度の精度と滑らかさが要求されることが明らかとなった。これは現有の微動ステージの限界値に近いため、動作速度による挙動を詳細に検討し、これのソフトウェアによる最適化をはかった。また微細パターン描画のために、超解像ビームの採用を行った。現状ではフォトマスク精度に若干問題があるものの、電子ビーム露光法を併用することにより、計画どおりのフィルタが試作できるめどがたった。 本研究に関して本年度、4件の研究発表を行った。(予定1を含む)。さらに論文発表を予定している。
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