研究概要 |
X,YおよびZ軸に垂直な面からなる水晶直方体(X-Y-Z-cut)の中には共振させると回転が起こり,超音波モータとなるものがある。回転運動の起こるメカニズムを解明するために,回転の特徴に関する情報を更に得ることを目的として研究を行った。 前回まで取り扱った水晶はそのX軸方向の厚み基本振動周波数f_<x1>およびその近傍の福振動周波数f_sのみで回転した。f_x(=f_<x1>&f_s)のみならず輪郭(Y,Z軸方向)の長さに関係した振動においても回転するような水晶の形状はまだ見つかっていない。そのような水晶形状を探し出すことともに回転方向を反転する方法を探索した。今回提案する寸法の水晶を用いると,これらの振動周波数f_xのみならず,輪郭に関係した振動の周波数f_Lにおいても回転可能となり,しかも回転方向がf_xとf_Lを切り替えることにより切替え可能になることがわかった。 回転可能となる点では(a)X方向厚み振動(f_<x1>)&副振動(f_s)のみで回転する水晶寸法,(b)輪郭の寸法に関係した輪郭振動のみで回転する水晶寸法,(c)X方向厚み振動(&副振動)および輪郭振動の両方で回転する水晶寸法の3種類が存在することが分かった。 上記の情報を基に来年度はレーザードップラーをもちいて振動モードの調査を行い回転のメカニズムの解明を行う予定である。
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