| 研究課題/領域番号 |
09650092
|
|---|
| 研究種目 |
基盤研究(C)
|
| 配分区分 | 補助金 |
|---|
| 応募区分 | 一般 |
|---|
| 研究分野 |
機械材料・材料力学
|
|---|
| 研究機関 | 富山大学 |
|---|
研究代表者 |
塩澤 和章 富山大学, 工学部, 教授 (90019216)
|
|---|
| 研究分担者 |
岡根 正樹 富山大学, 工学部, 助手 (90262500)
西野 精一 富山大学, 工学部, 講師 (00218174)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
| キーワード | 疲労 / 表面改質 / 複合処理 / 窒化 / TiN / トポグラフィ / 内部き裂 / 鋼 |
|---|
| 研究概要 |
表面改質処理による金属材料の疲労強度信頼性の向上を目的として、低合金鋼SCM440、熱間金型用合金工具鋼SKD61および焼結高速度鋼HAP10に物理的気相蒸着法(PVD)による窒化チタン(TiN)被覆処理、プラズマ・イオン窒化の一種であるプラズマ光輝窒化処理、およびそれら両者を複合処理した3種類の表面改質処理、さらにガス窒化処理を施した試料の疲労強度特性について検討を行った。得られた主な結論は以下の通りである。
1. プラズマ光輝窒化処理を施すことによって、約70μm程度の表面層の硬度が向上し、また高い圧縮残留応力が生成される。硬度分布並びに残留応力分布にプラズマ光輝窒化処理材と複合処理材に差違は認められなかった。また、ガス窒化処理によって試料の深部まで硬化され、その程度はプラズマ光輝窒化処理材よりも大きい。
2. 表面改質処理によって疲労き裂発生起点は表面より内部に遷移する。内部き裂発生および進展挙動を明らかにする為に、破面の3次元トポグラフィ情報を用いて破面を再構築して破壊過程をコンピュータシミュレーション(FRASTA法)した。その結果、内部き裂進展を可視的に再現でき、内部き裂進展に及ぼす表面層の影響を詳細に検討できることが明らかとなった。
3. 三種類の材料の3%塩水中における腐食疲労試験を行い、腐食疲労強度特性に及ぼす表面改質処理の影響について検討した。TiN被覆処理による腐食疲労強度特性の改善効果は少ない。これは製膜中における微小欠陥の影響であることが明らかとなった。プラズマ光輝窒化処理材では窒化層形成が基材によって異なり、腐食疲労強度特性は基材によって異なる傾向を示した。試料表面に窒化物が形成されると、それが環境遮断効果として作用し耐腐食疲労性は向上する。この効果はガス窒化処理材において顕著に認められた。
|
