研究概要 |
本研究費で新規に購入した赤外線導入加熱装置による高温衝撃試験の実施のため、まず、既設のホプキンソン棒型衝撃圧縮試験装置の一部改良(入、出力棒の材質、形状寸法の変更、圧縮及び引っ張り衝撃試験を同一装置で実施するための打ち出し棒発射装置の変更、)を行うとともに、校正用ダンベル型圧縮試験片を用いて局所的な急速加熱時の試験片の温度分布、昇温速度、温度の時間的変動幅、応力棒の被加熱域の温度分布、等を複数の熱電対を用いて測定した。その結果、従来の電気炉による加熱にくらべ、加熱時間が画期的に短縮できること、これに伴って応力棒の被加熱域を減少させることができ、応力波の反射の影響を抑え、応力一ひずみの測定精度を向上させることができることが確認できた。次に、β合金(Ti-15V-3Cr-3Sn-3Al)に低温域での時効処理を行なって得られた高硬度チタン合金について77K,201K,283K,373K,473K,473K,673K,723Kの8種類の試験温度,10^2,10^3s^<-1>の歪速度での衝撃圧縮試験をおこない応力一歪曲線を求めた。低歪速度域(10^<-4>〜10^<-1>s^<-1>)では既設のオートグラフを用いた歪み速度温度一定試験、温度一定歪み速度急変試験、を上記の各温度について実施中である。得られた強度試験結果に対しては過去に得た試験結果を参考にして、変形が単一の熱活性化過程に支配されているものとして整理を進めている。現段階での試験結果から、低温高速変形での断熱的な加熱によって加工能が低下すること明らかとなり、引っ張り試験を実施する必要があると判断されたため、新たに素材を購入し、次年度以降のデータベース構築に資する予定である。
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