マイクロ波プラズマCVD法を使って、メタンガス及び水素ガスの混合ガスを流し純チタン及びS45C基板にダイヤモンド薄膜を被覆した。このときの温度は900℃で、時間を1分から2時間まで変化させた。形成されたダイヤモンドはS45C基板上より純チタン基板上の方が明確な形状をしていた。ダイヤモンドの形成はまず浸炭過程があり、ほぼこの過程が終了すると、炭化物表面に前駆体であるアモルファスの核が形成された。この前駆体の核の数は時間が経過するにつれて増加するとともにその大きさを大きくする。この過程における粒子の形成状態はある複雑さを持っておりフラクタル次元で示される。このフラクタル次元は約1.4から時間につれて2に近づく。この値になったときが、ダイヤモンドによって金属基板が全て覆われたことになる。ダイヤモンド薄膜に至るには、粒子の数が増えるにつれてその集合体を形成して集合体が連結しながら薄膜になる。このとき単独に孤立したダイヤモンドは集合体に統合されて行く。
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