研究概要 |
センサとして光ファイバ,アクチュエータとしてセラミックピエゾ素子に加えて,ER流体(Electro-rheological fluids)を一体化し,アクティブ振動制御を目的としたスマートCFRP複合材料はりの設計と製作を行なった. まず,センサとしては,オンラインモニタリングが可能なシステムを構築するため,EFPI光ファイバひずみセンサと非接触レーザ変位計を採用した.つぎに2枚のCFRP積層板の間にアクチュエータとしてER流体をシリコンシーラントで封入した複合材料はりと,ピエゾセラミックスを絶縁のためカプトンフィルムを介して接着したCFRP複合材料はりを製作した. さて,2つのCFRP複合材料はりの振動制御のために,ファジイコントローラを設計した.すなわち,片持ち状に支持したCFRP複合材料はりの先端変位および速度を変数とするメンバーシップ関数を採用した.具体的にはそれら2変数単独またはそれらの組み合わせたメンバーシップ関数を用いてオンラインでアクチュエータへの入力電圧の計算を行ない,それらをER流体あるいはセラミックピエゾ素子へフィルドバックできるファジイコントローラを製作した. これらの振動抑制実験より,整定時間に要する消費エネルギと振動減衰効果を求め,上記メンバーシップ関数のどの組み合わせが最も効果が大きいかを検討した.その結果,2つのアクチュエータの制御動作の違いにより,メンバーシップ関数の変数の取り方の差異が明らかになった.
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