平成9年度には、まずセンサーとして光ファイバー、アクチュエータとしてセラミックピエゾ素子に加えて、ER流体(Electrorheological fluids)を一体化し、アクティブ振動制御を目的としたスマートCFRP複合材料はりの設計と製作を行った.続いて、振動制御にはいろいろな制御方法がもちいられているが、今回取り扱うスマートCFRP複合材料はりシステムが複雑であるため、システム同定において有効なファジィ制御が制御手法として採用し、ファジイコントローラを設計した。 平成10年度は、9年度で設計したファジイコントローラを実際も稼動させ、制御効果を確認することを主たるテーマとした。すなわち、片持ち状に支持したCFRP複合材料はりの先端変位および速度を変数とするメンバーシップ関数を採用し、それら2変数単独またはそれらの組み合わせメンバーシップ関数を用いてオンラインでアクチュエータへの入力電圧の計算を行い、そられらをER流体あるいはセラミックピエゾ素子へフィードバックできるファジイコントローラを製作した。 平成11年度は、最終年度のためこれまでに得られた実験ならびにシミュレーションを繰り返し実施し、安定したファジイコントローラを完成させ、CFRP積層はりの振動制御実験に適した。その結果、ER流体、ピエゾセラミック素子をそれぞれアクチュエータとして併用した、いわゆるコンパクトハイブリッドスマートコンポジットの最適設計が完了し、2つのコントローラを単独で用いるよりが効率よく振動制御が可能となった。
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