研究概要 |
1. 昨年度の口径25mmに代えて口径40mmの加速管を有する一段式火薬銃を用いて,金属材料のアルミニウム(A1100)よりなる積層円板間にPVDFゲージ3枚を埋め込んだターゲットに,アルミニウムと銅からなる積層板インパクターを衝突させる平板衝撃試験を行った.負荷ー再負荷ー除荷の応力波形を計測し,衝撃諸量を決定した後に応力・ひずみ挙動を検討した.A1100について実験を行った応力域で得られた実績は以下のようである. (1) ピエゾ圧電効果を有する高分子の応力ゲージ(PVDFゲージ)3枚を用いて,A1100の三か所で応力波を計測し,運動量および質量保存則から衝撃諸量の推移を定め得る.すなわち,3点での衝撃応力推移の測定結果から,隣り合う2点の中間点で,第一に,応力の伝播速度U^aが計算できた.第二に,運動量保存則を用いて粒子速度が計算できた.後者の結果から,それら中間点の中央点で,粒子速度の伝播速度U^uが計算できた.最後に,質量保存則を適用して,中央点で,ひずみの推移が得られた. (2) 応力と粒子速度の伝播速度U^a,U^uは常に一致するのではなく異なることもある. (3) 単軸ひずみ状態での応力・ひずみ図について,負荷から再負荷に移る点はほぼユゴニオ曲線上にあるが,再負荷から除荷に移る点はユゴニオ曲線よりも応力の大きい側にある. (4) A1100のユゴニオ曲線は負荷ー再負荷のような履歴の影響を含む特性とは区別して考えねばならない 2. 口径40mmのガス銃は性能試験を終えたばかりであり,これから実験に取り掛かる. 3. 金属材料についての波形の乱れの対策も今後の問題である.
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