研究概要 |
今年度は,微小材料疲労試験機の本体主要部及び計測・制御系の構成を主に行った.試験機は,マイクロマシンにおいて微小材料の使用条件を想定した高速,高サイクル負荷における疲労現象解明を目的としている. 試験機はLED同軸落射照明付実体顕微鏡,4点曲げ負荷部,ピエゾアクチュエータ,粗動Zステージ等で構成されている.試験機は数十から数百Hzオーダの繰返し負荷が容易に得られるピエゾアクチュエータを用いることにより,サブμmオーダの変位制御により与えることができる.疲労試験を行うための変位制御回路も設計試作した. 4点曲げの負荷部は試験片のたわみを測定するためのフィゾ-干渉計をかねており,光学ガラスで製作した.得られる千渉縞は実体顕微鏡に取付けたCCDカメラを通してコンピュータに取込まれ,画像処理を行い解析することにより,試験片の変形が測定可能となっている.変形測定の分解能は,λ/4で表され,LED光源の波長が620nmであるので,従って0.155μmとなる. 試験片材料はシリコン単結晶であり,厚さ0.53mmの4インチシリコンウェハをダイシングソ-により幅4.2mmに切断して曲げ試験片とした. 以上の装置,試験片を用いて,静的負荷を行い,千渉縞からたわみ計測が可能であることを確認し,試験片には一定の曲率の理想的な曲げ変形が認められた.また,10Hz程度の繰返し速度において疲労試験としての動作確認を行った.
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