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1998 年度 実績報告書

損傷力学手法を援用したき裂先端の拘速効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09650119
研究機関東京理科大学

研究代表者

菊地 正紀  東京理科大学, 理工学部, 教授 (90107540)

キーワード拘束効果 / ディンプル破壊 / 損傷力学 / 応力三軸度 / 有限原素法
研究概要

アルミニウム合金を用いて、ノッチの曲率半径を変化させた延性破壊試験を実施した。最大応力、破壊時のひずみはいずれも曲率半径の違いにより顕著な差を生じた。これは曲率半径の違いがもたらした破壊時の拘束条件の変化によるものである。破壊後の破面を走査型電子顕微鏡により三次元的に観察し、ディンプルの径、形状に及ぼす拘束の影響を調べた。データ測定は3,000点以上におよび、これは今後の研究のための貴重なデータベースとなった。ディンプル径、形状ともに拘束条件、すなわち応力三軸度が増加すると減少する傾向を示した。
作成した延性破壊プロセスシミュレーション用有限要素法プログラムを用いてこの延性破壊プロセスのシミュレーションを行った。拘束条件の変化により破壊開始点、破壊伝播面は著しく変化するとの実験結果と極めてよく対応する結果を得た。これより、本研究で開発した有限要素法プログラムが延性破壊過程のシミュレーションに極めて有効であることが確認された。次いで、このプログラムにより前年度に実施した拘束条件を変化させた破壊靭性試験片の破壊過程の解析を行った。ディンプルの発生の核となる不純物の分布を非均一と仮定して解析を行った。その結果、拘束の弱い試験片では破壊進展方向が初期き裂方向でなく、破面はジクザクに進展する事が分かった。これは前年の試験の破面のPower値の測定結果とも合致する。
すなわちこれらの実験、数値解析を通じて拘束条件の変化する延性破壊過程をシミュレーションできることが分かった。今後も続く拘束効果の研究にとって貴重な進歩といえる。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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