研究概要 |
本研究は,家電品を対象に,リサイクル性,分解性,破棄性に関する回収条件を満足し,分解作業数などの指標が最適となる分解・破砕・選別処理プロセスを,計算機支援のもとに選択・決定するための手法の開発を目的としている. 本年度の研究成果は,下記の通りまとめられる. 1. 分解・破砕・選別計画問題の定義を行った。 2. 木構造及びネットワーク構造を持つ二種類のグラフを併用し、分解・破砕・選別計画における製品の状態変化を統一的に表現可能な製品モデルを提案した。 3. ペトリネットに基づいて、分解・破砕・選別計画を統一的に表現可能なプロセスモデルを提案した。 4. 分解・破砕・選別プロセスにおけるプロセス適応判定則、並びに製品構造モデル変化手順を、上記のグラフ構造の判定と変化に帰着させた形式で表現可能であることを明らかにした。 5. 分解・破砕・選別計画を全探索できるシステムソフトウエアを実装し、これに部品点数数十点程度の現実的規模の家電品データを入力した結果、分解・破砕・選別プロセスの全可能解が得られ、生成物の回収条件に対する適合性を判定可能であることを確認した。 6. 回収条件への適合率とプロセス作業数に基づく,分解・破砕・選別プロセスの評価指標を提案し、可能解の評価・選択が行えることを確認した。 これにより、リサイクル性・破棄性の評価に基づいた組立品の最適分解点の決定が,計算機支援により可能であることが確認された.
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