研究概要 |
本研究では,軟質金属(A1およびA1合金,無酸素銅等,金),プラスチック(光学関係レンズを中心),非晶質金属材料等の各種材料を超精密切削し,その表面を顕微鏡やSEMで観察するとともに,WYKOやAFMで仕上面粗さを調べた.その結果,現在までのところ以下の事柄が明確になった. 1)仕上面は,スクラッチ・微小痕,粒界段差,微小うねり,バイト先端転写条痕によって構成される.一部のA1合金以外の材料では,スクラッチ・微小痕はほとんど見られなかった. 2)あるバイト送り速度までは,バイト送り速度を小さくすると,仕上面粗さは小さくなる.しかし,あるバイト送り速度以下では,ほとんど変化しなくなり,到達限界仕上面粗さになる. 3)到達限界粗さには,切削速度や切込みは大きな影響を及ぼさない. 4)到達限界仕上面さは,工作物材料によって異なるが,一部A1合金で発生するスクラッチ・微小痕を除けば,5nm(Rmax)から9nm(Rmax)の範囲になった. 5)到達限界仕上面粗さの構成要素は,粒界段差,微小うねり,バイト先端転写条痕であり,粒界段差5nm(Rmax)以下,バイト先端転写条痕1nm(Rmax)から2nm(Rmax)になった. (講演発表) 安井他:超精密切削限界仕上面粗さの実験的検討ー各種材料の限界仕上面粗さについて‐, 1997年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集(1997)15 安井他:プラスチックの超精密切削仕上面粗さの実験的検討ー仕上面粗さに及ぼす切削条件の影響‐, 1997年度精密工学会秋季大会学術講演会論文集(1997)17 佐伯,安井他:プラスチック超精密切削表面の微細構造 1997年度精密工学会九州支部飯塚地方講演会講演論文集(1997)15
|