研究概要 |
1.本研究は,次の(1-1),(1-2)のシステムを開発することにより,所期の目的が達成される。すなわち, (1-1)デザイナ-あるいはエンジニアがポンチ絵などの粗情報を基にして,粘土などを用いて粗雑に短時間で造形されたラフモデル上の離散点群の位置ベクトルと法線ベクトルを完全自律計測するシステム。 (1-2)自律計測システムより得られる離散的位置・法線ベクトル情報を基に,曲率を連続とする高品質な意匠形状を提案し,設計者(デザイナ-あるいはエンジニア)の感性を刺激しながら,より意匠性の高い形状の設計を支援するエージェントシステム。 2.本研究は平成9,10年度で計画されており,平成9年度の研究内容は以下のとおりである。 (2-1)離散点群の位置・法線ベクトル自律計測システムを開発した。その測定戦略は,次のとおりである。 (1)ラフモデルを三次元測定機のステージ上に設置し,同モデル回転させながらCCDカメラで撮影する。 (2)CCDカメラからの信号を画像処理ボードでブロブ処理し,ラフモデルの投影図を得る。 (3)複数の投影図から,同モデルの粗輪郭を表すZマップデータ(粗輪郭形状)を求める。 (4)粗輪郭形状を基にラフモデルの測定点を自律的に決定し,微小3点測定法により測定点の位置と法線ベクトルを自動計測する。 (2-2)感性刺激型エージェントシステムの形状自律補正システムにおける位置ベクトルおよび法線ベクトルの高品位化アルゴリズムを開発した。その手順は,次のとおりである。 (1)任意の測定点について,その近傍のn点を取り出し,それらの点の位置ベクトルに対して最小二乗法を適用して2次曲面を求め,その曲面に任意点を移動して位置ベクトルの補正を行う。この操作を全点に適用する。 (2)任意の測定点について,隣接している点の位置ベクトルから,それらの点の法線を求める。この操作を全点群に適用する。
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