研究課題/領域番号 |
09650149
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
矢野 章成 関西大学, 工学部, 教授 (40067533)
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研究分担者 |
山口 智実 関西大学, 工学部, 助教授 (10268310)
樋口 誠宏 関西大学, 工学部, 教授 (50067732)
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キーワード | モニタリング / 音認識 / 自律 / 移動ロボット / 知的行動 / 学習 / ニューラルネットワーク |
研究概要 |
1.機械音による加工工程監視システムの開発 昨年度までに開発してきた機械音の時間に対する頻度分布に基く加工工程監視システムでは、ある時間幅における音による加工状態の認識を行うため認識時間の速応性に問題があった。そこで、監視の信頼性を落とさずに最大の速応性が得られるようにシステムの改良を行い、認識時間を改良前より65%に短縮した。また、従来行われているサンプル時の機械音のみによる監視システムとの評価を行った。加工時に工具刃先の欠損が発生した実際の機械音を両システムに入力し、加工状態の認識の正確さを比較した。従来のシステムでは、実際は正常であるにもかかわらず欠損、あるいはその他の異常と誤認識が多く見受けられたが、開発したシステムでは、誤認識はなく100%の認識率を得ることができた。 2.動作指向的知覚システムによる自律搬送装置の開発 搬送装置が自律行動を行うためには、周囲の環境を認識し、その状況に適する行動をリアルタイムに決定しなければならないが、その機能を実現するために、生物をモデルにした行動創発システムの構築を目指した。このシステムは、生物界においてDNAから蛋白質を合成する過程に着目し、少ない行動パターンからより複雑で高度な行動を創発する。つまり、蛋白質合成過程を模して、DNAを行動決定関数、アミノ酸を制御コマンド、tRNAをコマンド選択ルールとし、転写酵素に行動決定の仕事を、翻訳酵素に制御コマンドに変換する仕事を与える。本システムを既存の小型移動ロボットに導入した結果、入力を受けて行動を決定してから、その行動を制御コマンドに自動的に変換した。さらに、本システムにGA(Genetic Algorithm)適用し経験に基く学習システムを付加したことにより、障害物を回避する基本的な知的行動を獲得することができた。
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