研究課題/領域番号 |
09650174
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
森 淳暢 関西大学, 工学部, 教授 (80026202)
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研究分担者 |
緒方 正則 関西大学, 工学部, 教授 (00098104)
多川 則男 関西大学, 工学部, 教授 (50298840)
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キーワード | オイルシール / エラストマー / 弾性接触 / 弾性流体潤滑 |
研究概要 |
リップ型オイルシールのエラストマーでできたリップ先端接触領域の表面には、なじみ運転中に、高さ数マイクロメーター、ピッチ数十〜数百マイクロメーターの不規則なうねり(凸凹)が生じ、これがリップ型オイルシールの密封と潤滑性能に大きな影響を与える。現在までの研究では、実際に形成されるうねりを数例実測し、これをある高さ、あるピッチの正弦波でもでる化し、流体が存在する中での相対すべりの有無による接触状態の変化を有限要素法を用いて数値的にシミュレートすることを試みている。その結果、流体に圧力発生が生じない静止時には、押し付け力を増すと、柔らかいエラストマー表面のうねりは硬くて滑らかな相手鋼表面により押しつぶされ、比較的簡単にすきまが完全になくなる状態がつくりだされること、エラストマー表面のうねりが完全に押しつぶされ、すきまがなくなるほどの接触圧力下でも、相対すべり運動により、ひとたび潤滑膜が形成されると、つぶれていたうねりが再びエラストマー表面に甦り、理想的な流体くさびを形成して、安定した流体潤滑状態が維持されることを示すことができた。その一方で、エラストマー表面の幾何学的拡大モデルを製作、これを用いての可視化実験により、静止時の固体接触から相対すべりにより流体潤滑膜が形成され、エラストマー表面にうねりが甦る過程を観察した。その結果、定性的には、数値シミュレーションを裏付ける結果を得ている。現在、数値シミュレーションの面では、計算範囲を拡大し、結果の一般化を検討している。可視化実験の面では、モデルの相似則、計測手段の精密化を検討中である。
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