将来型スペ-スプレ-ンへの搭載が有望視されているスクラムジェットエンジンの分離部を模擬した矩形ダクト(断面25mm×64mm、長さ600mm)内の3箇所に、衝撃波と境界層の干渉の結果生じる擬似衝撃波を発生させ、擬似衝撃波を伴う超音速内部流動と乱流現象を実験的に明らかにした。具体的には、 (1) 超音速矩形ダクト内で発生する擬似衝撃波の特性、すなわち擬似衝撃波の発生位置、擬似衝撃波による圧力上昇、擬似衝撃波の巨視的構造を、流れの可視化とダクト壁面圧力分布測定により明らかにした。 (2) 擬似衝撃波を含む流れの内部構造、すなわち中心部の高速流領域と壁面近くの低速流領域における平均速度分布は、擬似衝撃波の発生位置によってどのように変化するかを、LDVによる詳細な速度分布測定により明らかにした。 (3) 矩形ダクト内の擬似衝撃波を伴う流れのはく離現象は、擬似衝撃波による逆圧力勾配が大きく、境界制限(=境界層厚さ/流路高さの半分)が小さい場合に発生しやすいことを、シュリ-レン法と油膜法による可視化、及びLDVによる流速分布測定により明らかにした。 (4) 擬似衝撃波の上流域、発生領域、及び下流域における乱流境界層の乱流特性、すなわち流れ方向及び流れに垂直方向の乱れ強さ、レイノルズせん断応力、乱流エネルギ-分布等を、LDVによる詳細な測定により明らかにした。
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