本研究期間に行った研究成果は以下の通りである。 (1)熱化学非平衡を考慮した非定常極超音速衝撃派干渉流れの数値解法の開発 (2)湿度を考慮した非定常遷音速衝撃派/渦干渉流れの数値解法の開発 (3)非定常三次元極音速衝撃派/衝撃派干渉流れの計算コードの開発 (4)三次元飛行機雲計算コードの開発 (5)非定常三次元極超音速熱化学非平衡衝撃波/衝撃派干渉流れの計算コードの開発 (6)軸対称電磁プラズマ粘性流れの計算コードの開発 上記の数値解法ならびに計算コードの開発により、熱化学非平衡、非平衡凝縮については非定常三次元の数値解析が可能となり、電磁プラズマについては軸対象を仮定した粘性流れの数値解析が可能になった。さらに具体的な非理想気体流れ問題を数値解析したところ、いくつかの興味深い計算結果が世界に先駆けて得られている。たとえば、フィン周りにおける非定常三次元極超音速熱化学非平衡衝撃波干渉流れの計算では、化学反応による衝撃波離脱距離の減少が場合によってはフィン表面における空力加熱を極端に増加させる可能性があることが示され、将来の宇宙往還機開発における重要な知見を与えたと言える。また、高湿度中を航行する航空機翼周りの飛行機雲の計算に世界に先駆けて成功したことで、実際の大気環境における航空機性能の評価に向けた貴重な研究基盤が完成したと言える。これらの研究成果はすでに複数の国際会議で発表し、また複数の国内外の雑誌に論文が掲載されている。
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