研究概要 |
1. 羽根車出口からスクロール出口の間、つまりスクロール内に検査面をとり、角運動量保存則を適用し、羽根車のすべり係数を仮定してスクロール巻き終わり (θ=0゚)の速度分布を求めた結果、計算値はいずれの流量においても実験値とかなり良く一致することが示された。 2, 1の計算で得られた速度分布を用いて、スクロール巻き終わりの全流量Q_tに対する再循環流量Q_<rec>(=Q_t-Q)の割合およびスクロール巻き終わりから吐出し管に向かう流れの圧力回復率を求めたところ、それらの値は実験値と良い一致を示した。 3, ケーシング形状が性能及び内部流れに及ぼす影響を調べるため、舌部隙間およびケーシング吐出し通路の幅を一定にし、スクロール広がり角を変化させた実験を行った。広がり角が小さくなるとともにスクロール巻き終わり(θ=0゚)の流速が速くなるため、θ=0゚における吐出し流れに相当する断面積が小さくなるので、吐出し通路に向かって、流れが拡大されて減速する割合が大きくなる。それ故、広がり角が小さいスクロールほどはく離域の発達が早く、この部分の圧力回復率が大流量側で低下する。 4, 舌部隙間とスクロール広がり角を一定として、ケーシングの吐出し通路幅を変化させた実験から、吐き出し通路幅/羽根車外径の比が0.295〜0.598の範囲内で、静圧効率は吐出し通路幅が大きくなるにつれ大流量域での値が高くなり、全圧効率は吐出し通路幅が狭くなるにつれ最高効率点流量から低流量域にかけての値が高くなる。
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