(1) スクロール巻き終わり(θ=O゚)断面を通過する流量Qtに対する、吐出し流量Q、再循環流量Qrecの比率を求めたところ設計流量でQrec/Qt=0.45であり、吐出し流量の減少とともに再循環流量の比率が直線的に増大する。 (2) ケーシング内各部の壁面静圧分布を測定し、それからケーシング内の圧力回復の割合を調べた結果、吐出し流量においてスクロール内で55%、残り45%がスクロール巻き終わりから吐出し通路へ向かう部分(ディフューザ部と呼ぶ)で生じていた。そして流量の減少とともにこのディフューザ部の圧力回復率の割合が増大することが示された。また、このディフューザ部の圧力回復率Cpと効率ηを求めたところ、最高でそれぞれ82%、90%の値であり、最適設計された一般のディフューザで達成される最も高い値であり、これらの値がケーシング設計の指針となる。 (3) 部分流量Q/Qd=0.61で吐出し通路入口部に局所的にはく離が見られ、Q/Qd=0.29では三次元逆流が見られるようになり、さらに流量の減少したQ/Qd=0.09では、はく離域が発達し圧力回復率、効率ともに低下するようになり、この区間の流れの状態が送風機の低流量特性と密接に関連していることがわかった。 (4) スクロール内の検査面に角運動量法則を適用して求めた速度から計算した再循環流量の比率、およびこの区間の圧力回復率の値は実験値と良い一致を示した。 (5) スクロール形状を変化させた実験から、スクロール広がり角や吐出し通路幅に関するケーシング設計の指針とその資料を提示した。
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