研究概要 |
平均粒径454μm,粒子密度2590kg/m^3の球形ガラスビーズを室温状態の気中に孔径4mm,6mm,8mmの3種のオリフィスから自由落下させ,オリフィス出口から1mm,50mm,150mm,500mm,1000mm,1500mmの各測定位置において,レーザードップラー流速計及び位相ドップラー流速計を使って,粒子の軸方向速度,半径方向速度及び数密度の平均値と変動値の半径方向分布を測定し,以下の結果を得た.1)軸中心速度は落下距離の増加と共に増加し,一定値に漸近する傾向を示し,その値は粒子の質量流量が大きいほど,従って孔径の大きいオリフィスからの流出ほど,大きな値を示し,単一粒子の最終自由落下速度よりいずれも増大する.これは粉体ジェットが周囲の空気を巻き込みジェット内に下降気流が発生し,粒子はこの流れに相対的に落下するためである.2)粉体ジェットの広がりは極めて小さく,500mmを越えると速度分布からポテンシャル的な部分は消失する.3)軸速度から粒子の自由落下速度を引いた速度分布の半値幅と最大速度による無次元分布は落下距離が500mm以降では単相噴流の分布と同じである.4)軸速度の変動は落下距離の増大と共に増加する.5)半径方向速度は端に向かって増加するが,高々軸速度の2.5%である.6)数密度分布から求めたジェット域での断面平均空隙率は0.99以上で落下距離と共に増加する.7)軸速度から粒子の自由落下速度を引いたものを気流速度とみなして求めた断面通過空気流量は落下距離と共に増加し,粒子の質量流量が大きいものほど大きい.
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