研究概要 |
1.エアカ-テン性能を測定するための以下の実験装置を製作した.保温室の容積は1.6×1.6×1.6m^3で,開口部の幅は600mm,高さは1300mmである.送風機から吐出された空気は風路で整流され,開口部上部の噴出口から下法に噴出される.開口部下部には吸込部が設けられ,吸い込まれた空気は風路により送風機吸込口に導かれる.噴出口の幅は3種類(100mm,70mm,30mm)で,噴出口に偏流板を取り付け噴出方向を変えることができる.噴流に三次元撹乱を与える場合には,噴出口に鋸歯状の突起部を取り付けた.突起部は2種類で,高さ×間隔は1.0mm×1.0mmと4.3mm×5mmである.保温室内の床面にはリボンヒーターが接着され,その出力はスライダックにより調整される.室内の内面には,熱幅射をできる限り小さくするためにアルミ箔を貼り付けた.保温室内の温度は16個の熱電対により測定され,打点記録計に記録された後にデータ処理用パーソナルコンピュータで処理される. 2.予備実験を以下の条件で行なった.ヒーター出力を600Wに保ち,4種類の噴出速度(0m/s,2m/s,4m/s,6m/s)について,保温室内外の温度を測定した.実験は,偏流板と鋸歯状突起部が有る場合と無い場合に対して行なわれ,これらの効果を検討した.また,保温室の断熱特性を求めるために,開口部を密閉した状態の保温室内外の温度差の測定も行なった. 3.予備実験により,実験装置と計測・データ処理装置は十分な性能を有することを確認した.また,噴出口で流れに三次元撹乱を与えることにより噴流中の大規模渦の発生・成長が抑制され,エアカ-テンの熱通過率が減少し,本研究の実用面への有効性が確認された. 4.エアカ-テン性能は諸々の条件(噴出速度,偏流方向,三次元撹乱,等)に影響されるので,次年度には最適条件を詳細に検討する.
|