研究概要 |
CIP法を有限要素化し,分散オープンシステムに対応したモジュールを作成した。近年,有限差分法に遅れをとっていた有限要素法においても高次精度化に対して多くの研究がなされている。 その主な方法として指数関数型Petrov-Galerkin法,SUPG(Streamline Upwind/Petrov-Galerkin)法や定常移流拡散方程式の局所厳密解を用いたChenによるFAM(Finite Analytic Method)を有限要素法に拡張したHybrid型上流化有限要素法などがある。これらはいずれも極限は1次風上であり,精度が充分であるとはいえない。これは1次風上の数値粘性が大きくなるためである。そこで著者らは移流方程式に対して高精度でかつ安定に解析を行えるCIP(Cubic Interpolared Pseudo-particle)法に着目している。 矢部らによって差分法で開発されたCIP法の特徴は,節点での関数値の分布を連続関数と想定し,その連続関数を節点での関数値とその一階微分を用いて3次関数(スプライン関数)で表し,その関数の形状を崩さずに移流することにある。このCIP法を改良し,有限要素法で定式化した従来の線形形状関数と任意の2次関数の積をとる3次形状関数を誘導し,この形状関数を用いたCIP-FEMの線形移流方程式による検証によって,その精度が有限差分法の3次風上差分以上であることを示した。これにより有限要素法による高精度解析手法を提案したわけであるが,さらに非線形方程式であるBurgers方程式によってCIP法の様々な検証を行った。また3次元移流拡散方程式に拡張し,CIP-FEMの有効性を検証した。
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