研究概要 |
現有の小形のシロッコファン(300rpmにおいて風量6m^2/min,圧力500Pa)のケーシング(幅80mm)を使用し、4種の羽根車を使用して性能試験を行った。結果、次のことが明らかになった。 羽根の有効幅:羽根の入口および出口角について大差のない、A,B両羽根車の性能の比較を行うと流量、風圧ともBの場合の方が大きくなっている。また、羽根車Aの出口付近における流速の測定は結果から流出速度は羽根車の両端部付近において小さく中央部付近において大きい、一方、Bの場合にはほぼ一様であることがわかった。このことから羽根車Aでは羽根幅が有効幅に利用されていない。すなわち、ケーシングに対して有効な羽根幅があり、ケーシング幅の65%程度の、幅が小さいBのようなものが流れにとって有効であることがわかった。 羽根入口角:性能の良好なBのものに羽根幅を統一し、羽根入口角を速度三角形から考える方向(16〜30°)にとった羽根車二個(C,D)の製作し、性能試験を行ったところ流量、風圧ともに羽根車Bのものを下回るという結果を得た。このことは羽根車入口付近に羽根とともに旋回する流れが生じているものと考えられる。羽根入口角はこのことを考慮してBと同じ90°程度が適当であることがわかった。 羽根入口角:羽根車A,Bに付いて羽根出口付近における流速の三次元分布の計測を行った。その結果、設計流量付近でも羽根幅中央付近において流出角は偏差値20°程度になるが羽根両端部付近では偏差値120°程度なることがわかった。すなわち、シロッコファンの羽根出口角は前向き羽根になっているが流れはその方向から120°程度間違った方向に流出している。 以上のことを総合して本年度の研究としては羽根車50mm、入口角β1=90°、出口角β2=40〜50°程度のものを製作し、性能試験、次に入口および出口の三次元流速分布の計測を行う予定である。
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