遠心圧縮機の配管系におけるサージングの発生について研究を行い、次の結果を得た。 (1) 試験装置の完成 サージング発生時における、圧力および流量の変動状態をリアルタイムに計測するため、高感度半導体式圧力変換器を使用し、流れの静圧を測定することにより、配管内の平均流速を測定し流量に換算する方法を採用し、管径が小さい場合の変動流量を測定できた。 (2) サージング試験 遠心圧縮機の回転数を変え、吐き出し側の配管長さを変えて、性能試験、サージング試験を行い、圧力と流量のサージング時における関係を高速レコーダにより取り込み、分析した結果、両者の変動周期には大きな位相差は認められなく、全体的には静的な性能特性曲線の少流量側への延長線上を移動することが認められた。サージング時の平均圧力はサージング直前の圧力より低くなることがあり、圧縮機内部の性能低下によるものと思われる。 (3) 振動固有値の解明 サージング時の流量、圧力変動の振動数は、圧縮機内部通路、配管内の温度差を考慮して計算した気柱振動の固有値とはかなりかけ離れ、配管長さが短い場合はその差が大きく、圧縮機内部における気体へのエネルギ供給による強制振動となっている可能性が強い。配管が長い場合は管内の気柱振動の固有値の影響が大きくなるものと考えられる。
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