研究課題/領域番号 |
09650232
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
竹越 栄俊 富山大学, 工学部, 教授 (00019184)
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研究分担者 |
小坂 暁夫 富山大学, 工学部, 助手 (20242480)
平澤 良男 富山大学, 工学部, 助教授 (80115146)
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キーワード | Laminated Cu-Mo composite / Heat conductive material / Thermal expansion material / Thermal conductivity / Specific heat / Termal diffusivity / Mechanical property |
研究概要 |
銅(Cu)とモリブデン(Mo)の板をCu-Mo-Cuのように3層に重ね、これをホットプレス法によって圧着し、さらに圧延によって緻密化した三層板を作製した。この方法によりCuとMo層の厚さの比率を変えることによって熱物性値を変化させることができる。本研究では、半導体用放熱基板の熱物性値として特に重要な熱膨張係数、比熱、熱拡散率、熱伝導率を、常温から600℃までの範囲で詳細に測定し、さらに放熱基板の製造や組み立て時の応力シミュレーション等に欠かせない機械的特性として引張強度、ヤング率、伸び率等の測定を行い、以下のような結果を得た。 (1) 熱膨張係数はCuの構成比率の増大とともに増大するが、Cu量に比例して単調に増加せず、Mo量が強く熱膨張係数に影響を与えた。従って、三層材の材料力学的平衡式から導いた熱膨張係数の計算値よりもかなり小さな値となった。 (2) 比熱はCuとMoの構成比率に応じて加成則が成立し、理論値とほぼ一致した。 (3) 熱拡散率はレーザフラシュ法の三層理論による式によって測定し、理論値とほぼ一致した。 (4) 熱伝導率は熱拡散率、比熱、及び密度から計算によって求めたが、この値は三層材の直列モデルから導いた有効熱伝導率とほぼ一致し、三層材の層間に熱抵抗がほとんどないことがわかった。 (5) CuとMoの構成比率を変えることによって熱膨張係数は6〜10×10^<-6>/K、熱伝導率は150〜250W/(m・K)の範囲で変化させることができ、半導体用放熱基板として必要な条件を満たした。 (6) 引張強度、ヤング率の機械的特性は、ほぼ線形複合則が成立したが、その算値よりも小さい値を示した。伸び率はCuの比率に関わらずMoの値とほぼ一致し、Moが全体の伸び率を支配した。
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