研究課題/領域番号 |
09650233
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
荒木 信幸 静岡大学, 工学部, 教授 (90005314)
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研究分担者 |
杉山 優 浜松ホトニクス株式会社, 中央研究所, 室長
唐 大偉 静岡大学, 大学院・電子科学研究科, 助手 (40262795)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 熱伝導 / 非フーリエ現象 / 熱緩和時間 / レーザ高速加熱 / 高速温度温答 / 薄膜 |
研究概要 |
本研究は、高速レーザにより薄膜の表面を加熱し、その裏面の温度応答を高速度で測定し、非フーリエ現象を観察することおよび熱拡散率を測定することを目的としている。 そのために先ず、レーザの加熱速度、温度応答センサーおよびアンプ等の応答速度、データの記録速度が現象の観察および熱拡散率の測定にどのように関連し、影響しあうかについて既存の装置を用いて実験を行った。ステンレス銅板について8-90μm間の12種類について熱拡散率を測定した結果、厚さ40μm以上においては文献値と一致し、10μm以下については、厚さが薄くなるほど小さな値となった。この原因は測定系の時定数によるものであるとして補正をしたところ、文献値と一致する結果が得られた。これらの研究成果について、アジア熱物性会議等の学会で発表した。 しかし、非フーリエ現象を観察するには、センサー等の応答速度が不足していることがわかったので、金属の反射率の温度依存性を利用して高速化をはかること、物質の温度応答緩和時間は低温領域で大きくなると予測されることから、試料系を10K程度の極低温状態にすることとした。これらの測定装置の設計を行い、製作をしている。極低温装置は5.6Kまで達成した。 以上のように現在のところ、所期の目的を完全に達成していないが、高速温度応答測定の限界と可能性についてまとめることができた。これまでに得られた研究成果も国際的に通用するものである。
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