1。飽和状態の水、エタノール、エチレングリコールの単成分液と、これらの混合液に平板伝熱面を傾斜させて浸し、銅の伝熱面温度をり約1℃の過熱度に保持して蒸発実験を行った。そして、くさび状液膜内の温度分布と伝熱面の表面熱流束をマッハツェンダー干渉計により定量的に測定する方法を確立した。 2。液膜の先端から1mmまでの範囲の薄いメニスカス部分は入熱の50%以上が熱伝導により伝達され、これより後方の液膜が厚い部分では、自然対流、熱伝導、及び表面張力変化によるマランゴニ対流の影響の複合することが分かった。 3。伝熱面の表面から深さ1mmの位置の8点における温度測定結果から熱伝導逆問題として伝熱面の温度と熱流束を推測した。推測値を境界条件として液膜内の熱流動を解析し、実験結果と合う結果を得た。 4。液体の屈折率が温度変化により大きく変わるため、測定した干渉縞において気液界面はわずかに変形し、精密な液膜形状変化の把握が困難であった。混合混合液のメニスカス形状変化について、伝熱面の垂直方向からレーザを投射して、水平方向からカメラで撮影するなど、液膜厚さの変化を高精度で測定する方法の確立が課題として残された。
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