研究課題/領域番号 |
09650245
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高田 保之 九州大学, 工学部, 助教授 (70171444)
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研究分担者 |
久保田 裕巳 九州大学, 工学部, 助手 (10117103)
伊藤 猛宏 九州大学, 工学部, 教授 (20037740)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | VOF法 / 表面張力 / 相変化 / 核沸騰 / 気泡 |
研究概要 |
本研究では、VOF法をベースに高密度比流体に対するDonor-acceptor法および表面張力項計算の高精度化に重点をおき、まず第一段階として自由表面と相変化を同時に伴う二相系の熱流動数値解法の確立を目指す。ついで、伝熱面キャビティからの気泡の成長および離脱のシミュレーションを実施し、気泡周辺の流れ場と温度場、および伝熱面上の局所熱伝達係数を求め、(a)伝熱面材質の影響、(b)重力の影響、などを調べ、気泡力学の進展に貢献することを研究目的とする。 平成9年度は、大気圧ヘリウムの核沸騰気泡のシミュレーションを行った。現象を軸対象二次元と仮定し、半径方向100μm、垂直方向200μmの領域で計算を行った。平滑伝熱面上に接触角5゚で直径20μmの初期気泡を置き、伝熱面過熱度を0.2Kに上げて、気泡の成長・離脱の様子をシミュレーションした。その結果得られた離脱気泡直径は約55μmであった。この値は実験で観察されるヘリウム気泡直径60〜80μmにおおよそ一致する。また、気泡内外の速度ベクトル、温度分布、圧力分布を求めた。これにより得られた液相中の温度境界層は、シュリーレン写真で観察されたものと定性的に極めてよく一致した。 平成10年度は、伝熱面キャビティからの気泡の成長および離脱のシミュレーションを行った。現象を軸対象二次元で近似し、直径20μm、深さ20μmのキャビティ内に初期気泡をおき、気泡がキャビティを出て成長・離脱するまでの様子をシミュレーションした。当初は、サイクリックな離脱・成長を目指した計算を実施したが、離脱後の気泡の異常変形および圧力場の振動などの影響で、当初の目的を達成するまでには至らなかった。しかしながら、得られた温度場や熱伝達係数の分布、気泡の成長の過程などは通常よく観察される実験結果に極めて酷似しており、本数値シミュレーションの有用性が改めて認識されたものと言える。
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