研究概要 |
平成9年度は、種々のパラメータに対する熱交換特性の総合的な把握と対応する数値解析の簡便性を考え、まず1次元の平板型ガス-ガス熱交換器の設計・製作と基礎データの取得ならびに数値解析プログラムの開発を行った。実験と数値解析は、近寄流と離反流に関して、高温部の作動ガス入口温度がT_<gho>=400〜600℃、多孔性媒体の光学的厚さがτ_o=2.6、6.5、高温部の作動ガス平均流速がu_<mk>=0.33m/s、排熱回収部ならびに低温部の作動ガス平均流束がu_<mf>=u_<ml>=0.11、0.22、0.33m/sの条件で行った。その結果、排熱回収部を設けることにより、断熱性能が著しく向上するとともに有効熱回収率H_<eff>が2倍程度大きくなること、さらに本型式の熱交換器では20〜60W/m^2K程度の熱通過係数が得られることなどを明らかにした。 平成10年度は、円筒型熱交換器の設計・製作と基礎データの取得、H_<eff>に関する簡易計算法の提案と解析プログラムの開発、伝熱性能に関する平板系システムとの相違などを主要課題として研究を行った。近寄流と離反流に関して、T_<gho>=400〜600℃、τ_o=6.5、u_<mk>=0.10、0.07、0.05m/s、対応する(u_<mrs>u_<ml>)が(0.07,0.16)、(0.05,0.11)、(0.04,0.08)m/sの条件で実験と解析を行った。その結果、平板系システムの場合と同様、排熱回収部を設けることにより熱交換器の外壁温度を低く保つことが可能であるとともに良好な熱回収率が得られることを明らかにした。また、平板系システムの数値解析結果に基づく簡易計算法により、円筒形システムでのH_<eff>の測定結果が最大30%程度の差で予測できることを示した。さらに、u_<mk>が0.07あるいは0.05m/sと低い場合は、平板系システムの方が10%程度高いH_<eff>が得られることを実験的に明らかにした。非定常特性に関しても良好な実験および解析結果が得られ、本熱交換器は加熱開始から5〜10分程度の短時間内でほぼ定常状態に達することがわかった。
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