マイクロフィン付き管における冷媒蒸気の凝縮特性を実験的に明らかにすることを目的に、ボイラと補助凝縮器を主要機器とするテストループを製作した。このループに組み込まれる試験区間は管軸方向に8等分割されており、流動伝熱特性の管軸方向分布が測定可能な構造になっている。現在、公称内径6.5mmの平滑管を用いた実験に着手しており、実験装置や計測法の信頼性確認を行っている。 伝熱数値解析については、液膜部をフィン上の薄液膜部、フィン間溝部を流れる厚液膜部に分けてモデル化した。前者については蒸気流による気液界面せん断力と表面張力による圧力差が同時に作用するモデルを、後者については気液界面せん断力により液膜が溝方向に駆動されるモデルを作成した。数値解析結果は、本研究者らおよび従来の研究者らによる3種類の管、4種類の冷媒に関する局所熱伝達係数の実験値と平均偏差-2.1%で、平均絶対値偏差15.1%で一致した。さらに、本数値解析モデルの適用限界について考察を行い、らせん溝を有するマイクロフィン付き管内における凝縮液の流動様式が環状流から層状流へと遷移する点の予測法を数値解析結果に基づいて提案した。
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