1. 実験 平滑管に関する実験を終了した。そして、熱伝達および圧力損失に関するデータは藤井らの式と±15%以内で一致し、実験と測定の方法に大きな問題のないことを示した。ついで、新方式のマイクロフィン付き管による実験に着手し、流動伝熱の計測および工業用硬性鏡による流動様相の観察実験が進行中である。 2. 数値解析 層状流領域を対象とした数値解析モデルについて、従来の実験結果および本実験結果との比較を行いつつ、最終的に公表するモデルの開発を行っている。すでに開発した環状流モデルと異なる部分を列挙すると (1)管底剖を凝縮液が層状で流れる領域を設けて、流動伝熱の計算には、粘性項および伝導項のみを考慮する2次元モデルを採用したこと。(2)凝縮液に浸績されないフィン部では、液膜のプロフィルを環状流モデルと同様に、フィン上に形成される薄液膜剖とフィン間溝部に形成される厚液膜部に分割した。そして、薄液膜部については重力効果が小さいこと、一方、厚液膜部については蒸気流速の減少につれて重力効果が出現することを見いだした。なお、気液界面形状の溝方向変化は、重力、表面張力による圧力差、蒸気流による気液界面せん断力ならびに壁面せん断力のバランスから定めている。
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