極低温用での熱流束評価実験装置の製作するとともにこの装置によって、カプトンシート等の「標準熱抵抗体」の両面温度差測定する素子の信号出力と熱通過量の相関を測定した。 1.極低温用での性能評価実験装置の製作 300Kから80Kへの任意の大きさの熱流束をつくる装置を製作した。FRP材(G-10)の円筒下部に銅板を接着し、上部をフランジ止めすることで真空容器を構成した。2枚の銅デイスクを下部面に対向させた。下部面は常に80Kに保たれる。装置内を10^<-2>Pa程度の真空に保ち、300K、80K各々の面の放射率(ε)を黒体テープ、アルミテープ等により変え、熱流束の量を調整した。80Kへの熱流束量として30〜300W/m^2を発生させることができた。 2.低温熱流束素子の研究と開発 (1)市販素子の低温での性能評価 RdF社の「マイクロ・フォイル」素子を80Kに冷却し、300Kの面からの放射熱量(30〜300W/m^2の熱流束)を受けたときの出力を測定した。40個の熱電対を直列に接続した温度差測定による熱流束測定だが、〜30W/m^2の時、出力は〜0.1mVしかとれず、低分解能であった。フォイルが0.15mmのため、フォイルの温度差は0.1度以下と計算される。80Kという極低温温度での本素子の実験結果は初めて得られたものである。 (2)高感度素子の試作 G-10デイスクを熱抵抗物質とし、両端に高抵抗型白金薄膜温度計を接着した素子を試作した。デイスクの厚さを2mm、3mmとすることにより、温度差〜0.2度、信号出力を〜0.6mVを実現した。
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