研究概要 |
1.一般に送水管の特性は流速の影響をきわめて受けやすく,どのような流速に対しても常に送水管を安定化させるためには,流速の変化による系の特性変化を考慮に入れた制御系の設計が必要である.本研究では,送水管の数学モデルが管内流速の関数として記述できることに着目し,ゲインスケジューリングの手法の一つであるパラメータ凍結法を用い,時事刻々と変化する流速に対応できる制御系の設計を試みる.本年度は,制御系設計用ソフトウェアMATLABを用いて,流速が変化したときの閉ループ系の時間応答を,LQCコントローラを用いた場合とスケジューリングされたコントローラを用いた場合について調べ,本手法の有用性を詳細なシミュレーションを行うことにより確認した. 2.能動制御方式において,送水管への制御力の印加方法として,スラスタにより直線力を付加する方法を採用するが,制御力の高いスラスタ装置の機構設計を行った. 今後は1,2の結果を踏まえ,LQCコントローラ及びスケジューリングコントローラ両方の外乱抑制特性と,スケジューリングコントローラの限界流速向上特性に関する実験を行う予定である.
|