研究概要 |
下記の成果が得られ,藤堂らが開発した並進回転分離形DDロボットを使やすいものにすることができた。 1. ニューラルネットワークを用い、1自由度だけ冗長自由度をもつDDロボットの知的協調制御方式を開発し,その効果を実証した。この方式では、障害物回避と重力項軽減を表す評価関数を導入し擬似逆行列を用いた。この分離形ロボットに冗長自由度を持たせることによって,(a)障害物を回避できる,(b)作業の位置・姿勢を選ぶことができる,という性質が加わった。 さらに,この7自由度ロボットをスレーブとする遠隔制御方式を開発し,遠隔操作によって穴入れ作業を行わせる実験を行い,良好な結果を得た。作業者にはマスタを介して力感覚が伝わるようなバイラテラル制御を用いた。この方式では、各サンプリング時点ごとにどのジョイントを固定すればよいかを計算しながら制御を行った。 2. 回転部の上に取り付けられた作業物体についての視覚情報をCCDカメラによって取り込み,制御系の目標軌道をオフラインで生成する方法を開発した。実験の結果,作業物体が多角柱など簡単な場合には,オフラインで目標軌道を生成できるようになった。 3. 並進部のアームに取り付けられたCCDカメラによって、手先効果器の先端を含む作業対象の広範囲にわたる視覚情報を取り込み,画像処理の間に手先効果器が移動した軌道を修正しながら目標軌道をオンラインで生成するという手法を開発した。この手法を用い回転部の上に置かれた円筒表面上に描かれた曲線を手先効果器の先端が一定の力で押し付けながら追従するという実験を行い、その効果を示した。本手法では,エンコーダのみで手先効果器の現在の位置と姿勢を高い精度で測定できるというDDロボットの特長が生かされている。
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