研究課題/領域番号 |
09650295
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
山本 哲彦 琉球大学, 工学部, 教授 (20045008)
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研究分担者 |
中園 邦彦 琉球大学, 工学部, 助手 (80284959)
顔 玉玲 琉球大学, 工学部, 助教授 (00295297)
金城 寛 琉球大学, 工学部, 助教授 (50211206)
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キーワード | ニューラルネット / 遺伝アルゴリズム / 倒立振子 / クレーン / 振れ止め / 人工生命 / 非厳密評価規準 |
研究概要 |
最近知能工学と総称されるこの分野は、久しく振動工学の数学を活用して発展した。数理的手法はその論理が明確であり保証される制御性能も明確である。しかし、(1)数理的手法を適用しようとする時の仮定は適当であるか、確実に実システムを同定しているかという疑問がつきまとう。また(2)その適用や運用に極めて高度な数学力が必要となり、一般の技術者では容易に活用できない現実がある。 ファジィ制御は原則的に人間が制御則を表現できなければ活用できない。それに反し、制御器としてニューラルネットワークを用いる方法は自動的に制御能力を自動発生させることが可能である。この制御器として3層階層型ニューラルネットをもちいることとし、そのニューラルネットの結合重みを遺伝アルゴリズム(GA)で制御能力がつくように進化させる。GAには評価規準が必要である。ここで、評価規準として、最初はともかく制御能力がつくように、次に制御能力が向上するように、段階的に緩やかな評価規準から厳しい評価規準になるよう設ける。最初から厳しい評価規準を設けると、制御能力をもったニューラルネットが発生しないか、または非常に長時間を要し、進化のシミュレーションであるGA操作を途中で断念することになる。本研究は、この評価規準に工夫をしたところに特徴がある。GAはシミュレータを必要とするが、数理的手法においても制御対象を同定しなくてはならないことは同じである。ただ本研究の手法では、応答さえ実システムと同じであれば、数式は不要である利点がある。本手法の有効性を確認するため、振子の振り上げ倒立制御・走行クレーンの振れどめ制御・船舶のような動揺する台の上のジブクレーンの振れとめ制御に適用した。発生の初期状態を変え、また、進化した制御器の制御試験を初期状態を変えて、偶然発生したものでないことを確認した。
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