研究課題/領域番号 |
09650298
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
小林 博明 明治大学, 理工学部, 教授 (60130811)
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研究分担者 |
登坂 博和 明治大学, 理工学部, 助手
小澤 隆太 明治大学, 理工学部, 助手
兵頭 和人 神奈川工科大, 工学部, 助教授 (10271371)
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キーワード | ロボットシステム / 腱駆動 / 定値制御 / ロボットハンド / 適応 制御 / 強化学習 |
研究概要 |
本年度は(1)ロボットシステムの開発、(2)腱駆動ロボットアームの定値制御と適応制御、(3)腱駆動ロボットハンドの設計法、(4)関節剛性の強化学習について研究した。 (1)については、昨年度まで開発してきたネットワークベース・マルチエーゼント・ロボットシステムを実装し、その有効性を示した。このシステムでは、ロボットを止めることなくプログラムを取り替えることが可能で、しかもそのプログラムをネットワークを通して配送することができるため、家庭内ロボットなどのメインテナンスに適したシステムとなっている。 次に、JAVAを用いてLISPベースのロボット言語を作成した。LISPはインタープリータ言語であるので対話性に優れ、また、その構造が柔軟で人工知能言語として定評があるので採用した。また、JAVAのグラフィック機能を用いて対話型のグラフィックシミュレータを構築し、ロボット言語の学習用にも使用できるようにした。これは今後、上記のマルチエーゼントロボットシステムに組み込む予定である。 (2)については、腱制御ヤコビ行列の不変変換に着目して、腱制御可能性を保持したまま把握物体に関する剛性をセミアクティブに調整できる腱駆動ハンドの設計法を開発した。これによって、複雑な制御を行うことなく把握物を作業に適した堅さで把握できることになる。 (3)については、腱の非線形弾性を前提とした適応制御系を構築した。現在、これをニューラルネットワーク制御系に拡張している。また、3関節12腱駆動ロボットアームを用いて、昨年度の定位置制御、定力制御および本年度の適応制御の実験を行い、その有用性を示した。 (4)についてはタンバリンをたたく時の関節剛性の強化学習を1自由度2本腱駆動ロボットアームを用いて実行し、人間の音とほぼ同等の音を出せるようになることを確認した。
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