本研究の目的は、移動体上にレーザ回転スキャナを搭載し、基準点の反射器を検出する事により、移動体の3次元位置姿勢を計測するシステムについて、システムの構成の検討、誤差解析、計測アルゴリズムの開発および試作実験による評価を行い、これにより、荒地移動ロボットや惑星探査ローバの誘導のための位置姿勢計測システムの実現を促進することである。 当該研究期間では、すでに試作した移動体を改良して、誘導実験を行った。 1)ステアリングシステム ・DCギアードモータとタイミングベルトとプーリを利用したステアリング機構を試作した。 ・結果は、ステアリングに必要な動作を確認した。 2)レーザ位置計測システムの改良 ・システムを小型化するため、ノート型コンピュータを用いた角度計測システムを構築した。 ・外部とのインターフェースとして、コンピュータの割り込み信号を用いた回路を採用した。 ・高分解エンコーダのパルスカウントを、割り込みを用いて、ソフトウェアによって行った。 ・割込み信号だけでレーザスキャナの計測が可能となった。 ・しかし、ソフトによるパルスカウントを利用した事が、エンジン振動の影響を大きくした。 3)走行実験 ・走行中のレーザ位置計測を行った。 ・結果は、移動体のエンジンの振動により、期待した精度での計測は困難であることが分かった。 4)システムの評価 ・現在のシステムの目標計測精度を下げると、誘導走行は可能であると考えられる。 ・十分な精度を得るには振動対策を講じる必要がある。 以上の結果をまとめ研究発表を行った。
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