研究概要 |
本年度は基礎的な研究として当初の計画に対して下記のような結果を得ることができた。 (1)電源を回遊するノイズ発生メカニズム:メーカの電波暗室を借用してインバータより発生する電磁波ノイズを測定した。その結果、電源を回遊し対地静電容量を介して流れるコモンモード電磁波ノイズが最も多く90%以上占めることがわかった。 (2)高周波CTの設計:一般のフィライトを使用すれば5MHz程度までのCTか設計できるので、他の要素も考えこの程度で十分である。 (3)ある帯域を除く電子フィルタの設計:この種のフィルタの需要は少なく本件については可能な限り全領域ノイズを取り除いた方がよいことが判明したため検討していない。また、Qの大きなフィルタは系の伝達関数より発振が起きやすく設計も難しい。 (4)ノーマルモードフィルタの基礎実験:単相ではコモンモードフィルタを2台使用し行なえることが判明した。 (5)5MHz,30dB以上のフィルタを実現:高周波トランジスタを使用したコモンモードフィルタについて3MHz35dBの減衰特性を持つフィルタを製作、実験的に確かめることができた。A級増幅を使用するため過大な損失が心配されたが3〜5A級のノイズ補償用で1W以下で小容量素子を使用できる安価となる。 (6)大地漏れ電流が従来の20%以下の性能:フィルタを使用しない場合の2%程度、使用した場合の10%以下にできた。 (7)エアコン装着:実際にエアコンに使用し実験し、ヨーロッパ向けのエアコンに次の生産より使用されることが決定している。 以上のように、(3)以外の件に関しては所定の目的は達成できた。
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