研究概要 |
近年,スイッチドリラクタンスモータが種々の特性により注目されており,その駆動用インバータの開発が行われている。従来のハードスイッチング形インバータでは低騒音化に伴うスイッチング周波数の高周波化によるスイッチング時のロスの大量発生や、EMIなどが大きな問題となっていたが、共振形インバータの場合にはソフトスイッチングを用いるため、スイッチングの高周波化によるスイッチングロスは少なく、極端に高い周波数の電流成分が少ないため、EMIを低減できる。 本研究では、スイッチドリラクタンスモータ駆動用電流共振形インバータを提案し、回路の試作と実験を行った。その実績は以下のとおりである。 1.主回路の設計・製作:コンピュータを用いたシミュレーションにより回路素子の設計を行い、それに基づいて主回路の試作を行った。 2.制御回路の作成:コンピュータを用いたシミュレーションにより制御回路の設計を行い、それに基づいてディジタルICやDSP(シグナルプロセッサ)を用いた制御回路の製作を行った。 3.ソフトウエアの作成:SRモータの位置検出信号を用いてDSPのプログラムの作成とデバッグを行った。このとき,実験装置の基本動作や保護装置との関連動作の確認も行った。 4.実験:始動停止の方法の確立と種々の負荷(一定)における運転実験を行った。その結果,提案回路では定負荷時において,トルクは従来回路に比べ3〜4倍,効率は10数%向上したことにより,提案回路では大トルク,高効率が得られることが確認できた。
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